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長部日出雄『津軽風雲録』

書き出しの一文だけカバーに記し展示してるコーナーが
福生市立図書館にある由、本書なんかヤバいぞ^_^;

長部日出雄『津軽風雲録』(富士見書房時代小説文庫,1988)の書き出し(本書5頁)は、

  着物の前をひろげ、褌をずらして、手探りをした。/
  ――ない。/
  なくなっている! 藤助は愕然とした。・・・

博奕で負け続けているうちに次第に萎縮したソレが、有り金の全てを失って、
「ついに下腹部のなかへ姿を没してしまったらしい」ことに立小便をしようとして気付く、
という衝撃・笑劇的なシーンから物語が始まるからね^_^;

紀伊国屋書店が前にやったブックフェアからヒントを得たという
同図書館の取り組みを報じている記事(パブリシティ?)を目にしたけど、
小生が本書を借りたのは、勿論、この書き出しに惹かれたわけではない^_^;
津軽為信や津軽地方の戦国時代を描いた時代小説というので予約した次第(^^)

津軽為信や津軽地方に特別な興味があるわけではないけど
(東津軽郡なら用があって小湊駅に3回行って駅から20分歩いた^_^;)、
南條範夫『武家盛衰記』(文春文庫,新装版2010)の「津軽右京大夫為信」の章と、
海音寺潮五郎『新装版 列藩騒動録(下)』(講談社文庫,2007)の「檜山騒動」の章は既読で、
本書も面白そうだったから(^^)

本書は会話部分が全編を通じて津軽弁なので、
なにしゃべってるんだか、さっぱりわがらねえ(;_;)
・・・ということはなく(ヒアリングだったら無理!)、
漢字仮名交じり文だから、フツーに意味は読み取れた^_^;

それなりに面白かったけど、結局のとこ、為信は姦雄なのかな^_^;
とまれ、武蔵野次郎が本書273頁で「歴史小説の分野に新風」と「解説」するように、
本書のように、津軽地方という、言わば〈辺境〉の戦国史を主題化することは、
◎平山優『武田遺領をめぐる動乱と秀吉の野望~天正壬午の乱から小田原合戦まで』
(戎光祥出版,2011)が言うのとは違った意味で「大国中心の歴史叙述を相対化」してくれる(^^)

ただ、大雑把なものでいいから、奥羽の北部の地名だけでも記した地図を付けてほしかった(..)

津軽家のことも取り上げてた本を昔の手帳の記録からメモ(^^)

◎高澤[さわ]等『戦国武将 敗者の子孫たち』(洋泉社新書y,2012)
 ~石田三成の子孫との絡みが書かれてたことは記憶あり(^^)

・榎本秋『外様大名40家~「負け組」の処世術』(幻冬舎新書,2010)
 ~内容は何一つ思い出せぬ(+_+)

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