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古田敦也『古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術』

超一流のプロ野球選手はデカルトのような明晰な論理、
非常に含蓄のある歴史哲学を語ることもできるのだな。
古田敦也『古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術』
(朝日新書,2015)を借りて読了した後にそう思った。

内容はピッチャー、バッター、守備、監督の戦術の各観方
(語に違和感はあるが、「観戦」「観察力」という流れで
用いているのだろう)で、実に懇切丁寧に解説しているが、
その理知的な論理、その頭脳に感服ですm(__)m 野球の素人
なので頁をめくる度に驚き、感心したが、本書が指摘する
観戦のポイントは球場でしか活用できそうにないのが残念!

一塁手&三塁手のポジションは、臨機応変な判断力が求め
られ、またコミュニケーションに難のある外国人選手には
不向きな点(本書139~143頁)、強肩・俊足なだけでなく
新庄剛志は実は非常に「できる」外野手であり、なんと
「バッター心理に基づいて細かく守備位置を変えていた」
(本書131~133頁)という点などはとりわけ驚かされた。

プロ野球選手ОBの著作は自伝、思い出、裏話が多いが、
(勿論それはそれで面白い)、この手の本は初めてだった。

苫米地英人の週刊誌ペースほどではないが、季刊誌の如く
量産していた某の本は必ず借りて読んでる。ただ、どれも
ためにはなるけれど、書名が覚えられないので、いずれは
ブログにリストアップしないと間違えて借りちゃいそう^^;

小林信彦の週刊文春連載の読書日記(同『活字中毒 ブック
レシピ61』[文春文庫,2000]283~284頁)で紹介(同書331
~332頁には訃報と微笑ましい人柄が分かる後日譚も出てる)
されていたので古本屋で買って読んだら超面白かったのが、
青田昇『サムライ達のプロ野球』(文春文庫,1996)だった。
内容は大昔の名選手達の思い出だが、その解説を担当する
千葉茂・元巨人二塁手が名言を吐いてた(青田前掲書318頁)。

  最後に声を大にして申し上げたいことがあります。
  選手としても指導者としても、かくも赫奕たる業績をあげ、
  日本プロ野球の本道を歩んできた青田昇が、いまだに
  「野球の殿堂」入りを果していないのは、何としたことでしょう。
  これは歴史を歪めることであります。/
  歴史というものはとかく曲がるもの、またそれを故意に曲げようと
  するものが必ず出てきます。小生のごとき古いプロ野球人に
  残された最後の仕事は、この曲がろうとする歴史を正すことにあると、
  肝に銘じております。

なんて素敵な歴史観だろう。名二塁手には深い洞察力が必須なのか(^_^;)
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