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阿川佐和子『阿川佐和子の会えばなるほど』

阿川佐和子『阿川佐和子の会えばなるほど~この人に会いたい6』
(文春文庫,2007)を借りて読んだ。

週刊文春連載の対談の文庫オリジナル。
落合博満がこの手のに出てるのは珍しいようだ。
ヨネスケのが興味深かった。

借りていた本が重くて図書館まで返しに行くのが辛く、
近くに来た移動図書館で返却することにした際、
あまりに利用者が少ないので、つい借りた。

[追記]
2015年5月19日に吉田豪『聞き出す力』を取り上げた(^^)
http://yomunjanakatsuta-orz.blog.so-net.ne.jp/2015-05-19

同書巻末には、吉田豪と阿川佐和子の「特別対談」が収録されているが、
吉田は「無邪気さは、時には大いなる武器となる」と題した章で、ソレを踏まえ、
阿川のインタヴュー術を次のように評している(同書178~179頁)。

  ・・・こうして直に話して、よくわかったのは彼女のインタビューのやり方がボクとは
  決定的に違うということ。/ボクは相手を調べ尽くした上で取材するけれど、彼女は
  デーモン小暮を取材して「ヘヴィメタルってどういう音楽なんですか?」と聞いたりする。
  これは何かというと、いい意味で「女の子」的なセンスを持ち続けているということである。
  /ボクと彼女の共通点はというと、独身で子供もいなくて、同性愛的な噂も流れていること。
  ボクは新宿二丁目在住だし、彼女はおすぎとピーコと仲良しで、壇ふみと
  親友二十周年記念に指輪交換しようとしたけどレズっぽすぎるので断念したこともある
  ぐらいなので、これだと男性とも女性とも中性とも適度な距離感で接することが出来るのだ。
  そしてボク同様、結婚という通過儀礼を済ませていないからこそ、普通なら聞けないような
  基本的すぎる質問も「女の子」スタイルによって平気で出来るんじゃないか、と。

「特別対談」においても、この点を訊かれて、阿川自身も答えている(同書226~227頁)。

  吉田 阿川さんはあえて、〝全然分からないんです〟というスタンスにしているんですか?

  阿川 頭わるいですもん。

  吉田 いつもハードルをすごく下げてますよね。例えばデーモン小暮さんに「ヘビーメタル
     って何ですか?」と聞いたり。普通は、分かってるからその先いきましょう、という
     ところを、阿川さんはちゃんと下から掘り下げる。

  阿川 それはやっぱり性の違いってあって、女だからこそできることかも。例えば野球選手
     や格闘家に会った時でも、どうせ分かってないんだろって思われているのが前提。
     だから知ったかぶりしたところで無駄なんですよ。もちろんそれに甘えちゃいけない
     とは思うんですよ。下準備はしたうえで、「本当にすみません。にわか勉強なんです
     けれども、今日初めて生の格闘技を観て、こういうところが面白かったです!」と
     率直な気持ちを伝える。そうすると、スポーツ記者じゃ興味をもたないところに
     私は興味をもつみたいで、意外な質問をしたことで案外、面白い本音が出てくること
     はあります。

フェミちゃんに怒られそうな気もするけど、インタヴュー術としてはナルホドと思った(^_^;)
また阿川の対談が掲載される週刊文春の読者層(の広さ?)も考慮した上での術だろうね(^^)

[追記]
上記の吉田豪流の(という言い方は本来おかしいと小生は考えるが)「相手を調べ尽くした上で
取材する」インタヴューのやり方を更に効果的にするテクニック(?)が、太川陽介『ルイルイ
仕切り術』(小学館,2014)に書かれていた(^^) 「・・・情報をあらかじめ頭の中にインプット
しておく・・・」(同126頁)ということなのだが、次のエピソード(同127頁)を御覧あれ(^^)

  NHKで5時間くらいの生放送のラジオ番組をやっていた時。必ず1時間程度ホテルの
  ラウンジでコーヒーを飲みながら、ゲストの資料をインプットしてからスタジオに向かって
  いたんです。/ある歌手の大先輩をゲストにお迎えした時のことです。「198×年から
  3年間は、アメリカに行ってらっしゃいましたよね」というとゲストはボクの手元を見る。
  でもボクは本番にはそんな資料やカンペは持たないから相手はビックリ! その後はとても
  ノって話をしてくれたんです。

「事前の下調べ」で得た「情報を頭の中にインプット」してインタヴューに臨むべきだね(^^)v
このようにインタヴューを受ける相手の心理を考えることがやはり肝要で、小生の経験でも、
インタヴュー調査において、相手の話をその場でメモしながらでは、本音は引き出せんよ(^_^;)
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